『息子のまなざし』

2002年 ベルギー/フランス(103分)
監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
出演:オリヴィエ・グルメ、モルガン・マリンヌ、イザベラ・スパール


職業訓練所で木工を教えるオリヴィエ。彼はある事件以来、心を閉ざして他人を受け入れられなくなっていた。そんなある日、フランシスという少年が訓練所に入所してくる。彼は木工のクラスを希望したが、オリヴィエから手一杯だという理由で断られた。だが翌日、フランシスが気になるオリヴィエは、自分のクラスで彼を受け持つことに。また、何故かフランシスへの尾行も始めたオリヴィエは、その後別れた妻マガリのもとへ。そしてフランシスの事を話すと、彼女に激昂される。フランシスは、実は彼らの幼い息子を殺した張本人だった…。

音楽・効果音やつくりものめいたセリフを全く用いず、極限まで抑制された描写で構築された作品。ドラマティックな展開はなく淡々と物語が進んでいくので、「どこが面白い?」と聞かれるとなかなか説明しづらいのですが、終始緊迫感があって退屈するところがなく、意外と時間の経過が早く感じられるのはよい文芸作品の証だと思います。