J2第44節 札幌 VS C大阪

C大阪
 GK キム・ジンヒョン
 DF 羽田憲司藤本康太前田和哉
 MF 酒本憲幸(→89′平島崇)、黒木聖仁船山祐二石神直哉小松塁(→46′香川真司
 FW 乾貴士、カイオ
 (得点 香川真司 89’)

6分もあったロスタイムも終わりに近づいて、もうだめかとあきらめかけたところで香川が決めてくれました!前半から札幌にチャンスが多く、引き分けも負けもありえた試合だけに、この勝ち点3は大きい。これで一気に波に乗っていけるんじゃないでしょうか。それにしても、乾のイエローはおかしいような気がするなあ。2試合出場停止は厳しいけど、疲れが溜まっているようにも見えるし、しっかり休養して昇格に向けた最後の戦いに備えてほしいところです。

川上弘美『夜の公園』

「申し分のない」夫と、三十五年ローンのマンションに暮らすリリ。このまま一生、こういうふうに過ぎてゆくのかもしれない…。そんなとき、リリは夜の公園で九歳年下の青年に出会う―。寄り添っているのに、届かないのはなぜ。たゆたいながら確かに変わりゆく男女四人の関係を、それぞれの視点が描き出し、恋愛の現実に深く分け入る長篇小説。

うーん、この小説はちょっと好みに合わなかったなあ。この小説がどうこうというより、恋愛だけをテーマにした小説はあまり面白いと思えないんですよね。どうしても登場人物の内面描写が多くなって、みんな自分のことしか考えてないんじゃない?という感想になってしまうからでしょうか。それでも川上さんの作品なら大丈夫かなと思って読んでみたのですが…。

『オテサーネク』

2000年 チェコ/イギリス(132分)
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
出演:ヴェロニカ・ジルコヴァ、ヤン・ハルトゥル、ヤロスラヴァ・クレチュメロヴァ


子どものいない妻を慰めようと、夫ホラークは木の切株を赤ちゃんの形に削ってプレゼントする。夫人はその切株に本物の子どものように接し、かいがいしく世話をする。しかし、隣に住む少女アルジュビェトカだけは、夫婦のこの奇妙な行動に、チェコに古くから伝わる民話“オテサーネク”との符号を感じていた。それは、子どものいない夫婦が切株を育て、最後にはその切株に食べられてしまうというもの。やがて、ホラーク夫人の切株も民話と同じように生をうけ、周りのものをどんどんと食べ尽くしていく……。

シュヴァンクマイエル監督の映画のわりには、ストーリー展開がかなりしっかりしていてわかりやすく、そんな中にもこの監督らしい毒々しさや変態っぽさはきっちり盛り込まれているのが好印象でした。コアなファンには少々物足りないのかもしれないけど、個人的にはこれぐらいのバランスでちょうどいい感じです。

ジャック・ヴァンス『ノパルガース』

まさかこんなことが!国防総省所属の科学者ポール・バークは愕然とした。謎の異星人に突然拉致され、焦土と化したその母星へと連行されたのだ。自らをトープチュと称する彼らは、通常は見ることも触ることもできない怖るべき寄生生命体ノパルを殱滅すべく戦っているのだという。そして、ノパルの発生源ノパルガースを浄化する協力をバークに求めたのだが、なんと、そのノパルガースとは!?

ジャック・ヴァンスの小説をはじめて読みました。この作品は長篇というより長い中篇というぐらいの分量で、一気に読了できる軽い読み物という印象で、後半のどんでん返しもなんとなく予想できてしまいましたが、なんというかいい感じのバカSFですね。少し古臭い雰囲気の訳文も、内容とぴったりあっていてむしろよかったかもしれません。

J2第43節 C大阪 VS 福岡

C大阪
 GK キム・ジンヒョン
 DF 羽田憲司、チアゴ(→71′西澤明訓)、前田和哉
 MF 酒本憲幸藤本康太船山祐二石神直哉小松塁(→57′香川真司
 FW 乾貴士、カイオ(→80′黒木聖仁

サッカーだから、こんな日もあるさ…としかいいようのない試合。前半無得点でも、いつものように後半になったら相手が疲れるだろう、と思っていたのですが、今日の福岡は最後まで粘り強かった。それでもなんとか決めてほしかったけど…。

『ウルヴァリン』

2009年 アメリカ(108分)
監督:ギャヴィン・フッド
出演:ヒュー・ジャックマンリーヴ・シュレイバーリン・コリンズ


特殊な能力を持つ、ウルヴァリンヒュー・ジャックマン)。かつてカナダの森で目覚めたとき、ローガンという名の兵士だったというほかに、彼は過去を記憶していなかった。そして、そこには“ウルヴァリン”と刻まれた軍の認識票が残っていたが……。

ストーリーにご都合主義が目立ったり、情報を入手しては次の場所へという繰り返しがゲームっぽかったりと、気になる部分がいくつかあったし、特筆すべきほど印象に残るシーンがあるわけでもないのですが、ハリウッド映画らしいスピーディな展開と大迫力のアクションは水準以上で充分満足できました。最近のアメコミ映画は当たりが多いですね。

ヘレン・マクロイ『幽霊の2/3』

出版社社長の邸宅で開かれたパーティーで、人気作家エイモス・コットルが、余興のゲーム“幽霊の2/3”の最中に毒物を飲んで絶命してしまう。招待客の一人、精神科医のベイジル・ウィリング博士が、関係者から事情を聞いてまわると、次々に意外な事実が明らかになる。作家を取りまく錯綜した人間関係にひそむ謎と、毒殺事件の真相は?

長らく絶版状態が続いていた幻の傑作とのことで読んでみました。さすがに今読むとそこまで衝撃的でもないのですが、いたるところに張り巡らされた伏線がラストできっちり回収される本格ミステリの佳作といったところでしょうか。解説にもあるように、読み終えてから振り返るとタイトルが非常に秀逸ですね。