『オテサーネク』

2000年 チェコ/イギリス(132分)
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
出演:ヴェロニカ・ジルコヴァ、ヤン・ハルトゥル、ヤロスラヴァ・クレチュメロヴァ


子どものいない妻を慰めようと、夫ホラークは木の切株を赤ちゃんの形に削ってプレゼントする。夫人はその切株に本物の子どものように接し、かいがいしく世話をする。しかし、隣に住む少女アルジュビェトカだけは、夫婦のこの奇妙な行動に、チェコに古くから伝わる民話“オテサーネク”との符号を感じていた。それは、子どものいない夫婦が切株を育て、最後にはその切株に食べられてしまうというもの。やがて、ホラーク夫人の切株も民話と同じように生をうけ、周りのものをどんどんと食べ尽くしていく……。

シュヴァンクマイエル監督の映画のわりには、ストーリー展開がかなりしっかりしていてわかりやすく、そんな中にもこの監督らしい毒々しさや変態っぽさはきっちり盛り込まれているのが好印象でした。コアなファンには少々物足りないのかもしれないけど、個人的にはこれぐらいのバランスでちょうどいい感じです。