『都会のアリス』

1973年 西ドイツ(111分)
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:リュディガー・フォグラー、イエラ・ロットレンダー、リサ・クロイツァー


旅行記の執筆のためアメリカを放浪していたドイツ人作家フィリップが、帰国のため立ち寄った空港で幼い少女アリスとその母に出会う。ひょんな事から少女をアムステルダムまで連れて行くこととなったフィリップ。しかし待ち合わせたアムステルダムに母の姿はなく、彼は少女の記憶を頼りに祖母の家を探す旅に出ることとなる……。

ヴィム・ヴェンダース監督による1973年の作品。主人公の作家が、ふとしたことからある少女とともに彼女の祖母の家を探すことになる、ヴェンダースお得意のロードムービー

いつかは終わるとわかっている旅の中で、なんとも形容しがたい関係を築いていく青年と少女。はっきりした起承転結があるわけではないので、あまりストーリーなどは気にせず、ゆらゆらと旅を続ける2人の感情の動きを感性で捉えるのがいい映画かもしれません。大きな感動を呼ぶようなシーンがあるわけではないのですが、なぜかラストでは胸が締め付けられる。やはりこれは大傑作だと思います。