『ルナシー』

2005年 チェコ(123分)
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
出演:パヴェル・リシュカヤン・トシースカアンナ・ガイスレロヴァー


精神病院の職員に拘束される奇抜な悪夢をみたジャン・ベルロ(パヴェル・リシュカ)は、無意識のまま大暴れして宿の部屋を滅茶苦茶にしてしまう。しかし、たまたま居合わせた侯爵(ヤン・トシースカ)が弁償しジャン・ベルロを自分の城へと招待する。翌朝、侯爵は発作を起こして死んでしまうが、再びよみがえって皆の前に現れる。

監督自身が哲学的ホラーと銘打っているこの作品。登場人物はもれなくいい感じで狂っているし、ただ一人まともなはずの主人公も精神を病んでいてどこか不安定。グロくて悪趣味な映像は監督の得意とするところで、全編を通してのなんともいえないイヤな感じは狙い通りの効果を発揮していると思います。ただ、残念ながら肝心のストーリーが退屈で少々間延びしていたので、全体を90分ぐらいに濃縮してもう少しテンポがよくなっていればもっと楽しめたような気がします。