『落下の王国』

2006年 インド/イギリス/アメリカ(118分)
監督:ターセム
出演:リー・ペイス、カティンカ・ウンタール、ジャスティン・ワデル


左腕を骨折して入院中の5歳の少女アレクサンドリア(カティンカ・ウンタール)は、脚を骨折してベッドに横たわる青年ロイ(リー・ペイス)と出会う。彼は彼女にアレキサンダー大王の物語を聞かせ、翌日も病室に来るようささやく。再びアレクサンドリアがロイのもとを訪れると、彼は総督と6人の男たちが織り成す壮大な叙事詩を語り始める。

世界遺産などをを含む世界の20ヶ国以上で撮影されたという映像の美しさは、すごいすごいとは聞いていたけれどたしかにこれは圧巻。美しい風景を選び取ってくるセンスはもちろん、構図や色彩の感覚にもユニークなものがあって、ただごとではない監督の才能を感じさせられました。現実と想像の世界で重層的に進んでいくストーリーは少々とらえどころのない感じもありましたが、計算し尽くした演出で無駄なく積み重ねられていく印象的なシーンの連続にはそれもあまり気にならず。これは映画館の大スクリーンで観ればよかったとちょっと後悔しました。