『散歩する惑星』

2000年 スウェーデン/フランス(98分)
監督:ロイ・アンダーソン
出演:ラース・ノルド、シュテファン・ラーソン、ルチオ・ヴチーナ


ここは、とある惑星のとある場所。サラリーマンは突然リストラされ泣きわめく。道に迷った男は訳もなく殴られる。マジシャンは人体切断のマジックに失敗して男を本当に切り刻んでしまう…。そんなある日、家具屋を経営するカールは、保険金欲しさに自分の会社に火をつけてしまう。タクシー運転手をしていたカールの長男トーマスは、人々の悩みを聞かされるうちに自分が精神を病んでしまい、誰とも話せなくなってしまう。今は彼の跡を継いで次男シュテファンがタクシー運転手をしていた。やがて街全体がただならぬ雰囲気に包まれていく…。

かなりシュールな作品だと聞いていたのでちょっと不安だったのですが、一応ストーリーらしきものはあって思ったより難解ではなかったです。監督はもともとCM界の巨匠ということで、どのシーンにおいても構図の素晴らしさがまず構図の素晴らしさが目につきます。特にラストシーンでは、○○○たちが遠くからやってくるタイミングやら何やらすべてが完璧に構成されていて、とにかく驚かされました。演じているのはプロの俳優ではなく、街中でスカウトした素人の方ばかりということもあって、出演者の演技というよりもすみずみまで目の行き届いた監督の映像構成力を楽しむべき作品ではないかと思います。