『赤い文化住宅の初子』

2007年 日本(100分)
監督:タナダユキ
出演:東亜優塩谷瞬佐野和真、坂井真紀


母に先立たれ、その後父も蒸発してしまった15歳の初子(東亜優)は、高校を中退した兄(塩谷瞬)と二人で暮らしていた。彼女は同級生の三島君(佐野和真)と一緒に東高を受験する約束をし、勉強まで教えてもらうのだが、彼女の家には高校に進学するお金はない。アルバイトの帰り道でも彼女は日々、そのことが気にかかり……。

人気コミックの映画化ということで、もう少し明るい映画だと思っていたら、ところどころくすっと笑えるシーンはあるものの全体的にかなりシリアスな内容で驚きました。「赤毛のアン」を現代日本でリアルにやったらこんな風になりました、みたいなお話で、少々語弊はあるかもしれませんが、日本人は貧乏・忍耐みたいなのがよく似合う人種なんだなあと感じました。

ラストは一応ハッピーエンド風に希望を抱かせる形で終わるのですが、現実的にその後を考えるとどうしても暗い想像しかできなくて、最後の最後まで救いのないお話に感じられました。そんなこんなで爽快感とは無縁のこの映画、だからといってつまらないわけではないんですけど、観てる間はかなりしんどかったです。