『チェイサー』

2008年 韓国(125分)
監督:ナ・ホンジン
出演:キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ソ・ヨンヒ


デリヘルを経営する元刑事ジュンホ(キム・ユンソク)のところから女たちが相次いで失踪して、ときを同じくして街では連続猟奇殺人事件が発生する。ジュンホは女たちが残した携帯電話の番号から客の一人ヨンミン(ハ・ジョンウ)にたどり着く。ヨンミンはあっけなく逮捕されて自供するが、証拠不十分で再び街に放たれてしまい……。

韓国映画を劇場まで観にいったのはかなり久しぶり。なかなかよい評判を聞いていたので楽しみにしていましたが、スピーディな展開のサスペンスは期待通りの面白さでした。

デリヘル嬢から「ゴミ」と呼ばれた主人公が、事件を追ううちに次第に人間味を取り戻していくというテーマや、比較的早い段階で犯人が明らかになりながら、それがストレートに事件の解決に結びつかない迷宮のような展開は、まさにタイトルどおり「追跡」を迫力たっぷりに描いたものになっていました。

韓国で実際にあった、10ヶ月に21人を殺した殺人鬼による事件をモデルにしたストーリーとのことですが、さすがに警察がまぬけすぎるんじゃないかなあとか、ラスト付近の殺人の後で犯人はどうやって逃げたんだよ!とか、細かいツッコミどころが多くて、かなりフィクションの部分が多いような気がしました。

とはいえ、全体としてみればエンターテイメントとして充分満足できる内容。グロい描写が多かったり、かなりの鬱エンディングだったりで、万人にオススメともいいにくいのですが、なかなかの力作であることは間違いないです。ディカプリオ主演でハリウッドリメイクされるとのことで、そちらも楽しみですね。