『ランボー 最後の戦場』

2008年 アメリカ(90分)
監督:シルヴェスター・スタローン
出演:シルヴェスター・スタローンジュリー・ベンツ、ポール・シュルツ


軍事政権下のミャンマーで、ある闇の存在が明らかになる。アメリカ政府は、各国の精鋭傭兵部隊を組織し、事態の鎮圧に乗り出した。最新装備を誇る隊員たちの中、1人手製のナイフと弓矢を武器に、孤独な戦いを繰り広げるジョン・ランボーシルヴェスター・スタローン)。残忍な殺りくを繰り返す敵を前に、ランボーの最後の戦いが始まった……。

20年ぶりのランボーは、時代の移り変わりに伴うストーリー上の要請もあったのか、ランボー自身の信念によってではなく、巻き込まれてやむなく戦うという感じになってしまったのがちょっと残念。ただ過去のシリーズを忘れてこの作品単独で観れば、戦争アクション映画として充分に楽しめる内容だったと思います。

スタローンの体力が衰えて、戦場における生存術を駆使した激しいアクションが少なくなった替わりに、傭兵たちと協力しての戦闘がメインとなり、その中でリーダーシップをとる姿がこれまで孤独に戦ってきたランボーの変化を表現する役割を果たしています。そしてこの心境の変化が、ラストシーンにおけるランボーの姿にもつながっているように感じられました。

この世の地獄ともいえるミャンマーという舞台こそランボーの花道にふさわしい。年齢に関わらず自分のスタイルを貫くシルヴェスター・スタローンに拍手を送りつつ、ランボーの退場をしっかりと見届けました。