『バーン・アフター・リーディング』

2008年　アメリカ（93分）
監督：イーサン・コーエン
出演：ブラッド・ピット、ジョージ・クルーニー、ジョン・マルコヴィッチ

CIAの機密情報が書き込まれた1枚のCD-ROMを、勤務先のフィットネスセンターで拾ったチャド（ブラッド・ピット）とリンダ（フランシス・マクドーマンド）。そのころ、元CIA諜報員のオズボーン（ジョン・マルコヴィッチ）は、機密情報の紛失にうろたえていた。一方、オズボーンの妻ケイティ（ティルダ・スウィントン）は、財務省連邦保安官ハリー（ジョージ・クルーニー）と不倫中で……。

コーエン兄弟最新作。CIAの機密データが入ったCDを巡って、脅迫する人される人に不倫相手まで入り混じってドタバタの争奪戦が繰り広げられる、と見せかけて実は…というお話。

本当は些細な出来事だったはずなのに、さまざまな偶然がもたらす紆余曲折を経てとんでもない結末に至る、というのは監督お得意のパターン。要所要所でブラックユーモア効きまくりだし、マヌケ揃いの男たちにタフな女性陣と俳優達の演技もお見事。そういう意味では、自分がコーエン兄弟に期待する要素はすべてといっていいほど含まれている作品なのですが、全体としてみるとなぜか今ひとつピンとこなかったかなあ。原因は偶然に頼りすぎた展開なのか、とっちらかったストーリーをまとめきれていない消化不良感なのか…。

バイオレンス描写も含めてかなり好き嫌いの別れそうな作品ですが、見どころはいろいろとあるので、コーエン兄弟のファンならとりあえずチェックしておくべきかなと思います。