R-1ぐらんぷり2009・決勝

夙川アトム赤ずきんちゃん」(10位:622点)
サバイバルステージに続いて、見たことのあるネタだったのが残念。ただ、細かい部分では新しい内容も追加されていて、「ぶしゃぶしゃ」にはけっこう笑いました。


岸学「隣の晩ごはん」(9位:634点)
サバイバルステージに比べると少々爆発力不足。4分という長さになってくると、単に口調がジャック・バウアー風なだけで中身は普通のコントという部分が増えてくるのが厳しかったですね。


バカリズム都道府県」(3位:672点)
文句のつけようがない素晴らしいネタ。勢いにまかせて盛り上げるのではなく、じっくり一つ一つのボケを見せていくスタイルで、ここまではずれなく爆笑を取れるのは本当に凄い。お笑いの大会ですから、実力以外にも出番順をはじめいろいろな要素に左右されるのは当然ですが、すべての条件を踏まえてもこれで優勝できなかったのは、審査員の責任としかいいようがない。もちろん審査員に何らかの悪意があったとか、やらせだったとかいうつもりは毛頭ないですが、結果としてこれだけのネタをやったバカリズムを優勝させられなかったことについて、審査員の方々には猛省を促したいところです。


エハラマサヒロ「ウザいシンガーソングライター」(2位:675点)
うまいし面白いし、これといって不満な点はなし。単純に短いネタをつなぎ合わせただけではなく、全体の構成もよかったと思います。ただ、テレビの前で見ているよりも生で見る方が盛り上がるというのはあるにしても、これがバカリズムより上と言われてしまうと…。


サイクロンZ「ダンスのレッスン」(6位:662点)
初めて見ました。歌詞と動きがリンクしているところなんかもあって、これはよくできてますね。笑いのピークが中盤にきてしまいましたが、そのまま最後まで上昇し続けることができていたら優勝争いにも絡んでいたかもしれません。


鳥居みゆき「コックリさん」(8位:642点)
冷静に考えるとこれでも充分やばいことはやってると思うんですけど、だいぶ見慣れてきたせいもあって、このぐらいでは満足できなくなってしまいましたね。ただ、これ以上狂気の方向に振り切れたネタをやると、お笑い通には評価されても優勝からは遠ざかるかなという気がするので、今回のネタの選択については彼女なりに賞を獲りにきたのかなという風にも感じます。


鬼頭真也「本の紹介」(7位:645点)
去年のM-1あたりから、ネタの評価対象として「手数」ということがかなり言われるようになってきましたが、このネタが決勝まで残ったのはそのあたりがあるんでしょうか。たしかによく考えられているんですけど、賞を獲りにいくにはあと一押しが足りないかな。


COWCOW山田よし「テニスの得点係」(3位:672点)
これは面白い!少しずつ期待を裏切るセンスが素晴らしいし、後半に向けた盛り上がりも見事。後から見直すとバカリズムにも迫るぐらいの内容かもしれないと思うようになってきました。


あべこうじ「漫談」(5位:663点)
去年までならこれで充分優勝を狙えたと思います。ただ、今年のハイレベルの中に入ると、爆発力の点で少し物足りなかったでしょうか。うまいタイプの芸風なので仕方ないんですけどね。


中山功太時報」(優勝:683点)
うーん、これで優勝かあ。たしかにあのままエハラマサヒロが優勝していたら、それはそれで違和感が強かったと思いますが、個人的には中山功太エハラマサヒロだけを比較しても、エハラマサヒロの方に軍配が上がると思うので、いずれにしても…。この時報のネタ自体は、わかりやすくてまずまずよかったですけどね。



素晴らしいネタを披露したバカリズムの出番がかなり序盤だったことと、その直後に実力者のエハラマサヒロが続いたことで、番組的にはちょっとおかしな流れになってしまいましたが、全体のレベルは昨年までに比べると大幅に上がっていたように感じました。優勝が中山功太になったことには、出番順が極めて大きく影響していたと思いますが、それも含めての大会ということですからまあ仕方ないですね。ただ、審査員の方々だけは仕方ないですませず、来年以降に向けてじっくりと今回の大会を振り返って、審査のあり方を考えていただきたいとは思います。