『ハッピーフライト』

2008年 日本(103分)
監督:矢口史靖
出演:田辺誠一時任三郎綾瀬はるか吹石一恵


副操縦士の鈴木(田辺誠一)は、機長昇格の最終訓練である乗客を乗せて飛ぶ実地試験でホノルルに向けて飛び立つことになる。彼は試験教官として同乗する威圧感たっぷりの機長の原田(時任三郎)を前に緊張感を募らせていた。そんな中、キャビンアテンダントの斎藤(綾瀬はるか)は夢にまで見た国際線フライトに臨み、緊張感がピークに達していた。

綾瀬はるかが主人公の映画だと思って観にいったんですけど、実際のところは特定のだれかが主人公というのではなく、フライトに関わるキャビンアテンダントパイロット、管制官、地上職といったさまざまな人たちの姿を描く群像劇でした。大勢の登場人物にきっちりキャラクター付けして、それぞれに見せ場を作りつつ、観る側を混乱させることなくバランスよくまとめるあたりの監督の手腕はさすが。どうやったら面白いエンターテイメントになるのか、よくわかってる監督さんだなあという感じがします。

根っからの悪人は登場せず、それぞれのキャラクターに感情移入しやすいので、クライマックスのシーンまでハラハラしながら見守って、最後は一緒に大喜びしてしまいました。我ながら単純ですけど、普通に観ていたらだいたいそんな感じになってしまうんじゃないでしょうか。強いて気になるところをあげれば、登場人物が多いので一人ひとりの掘り下げがやや浅いというところですが、全体的にはほぼ不満な点はなく、エンターテイメント作品として大満足できる映画でした。