アレッサンドロ・バリッコ『海の上のピアニスト』

映画『海の上のピアニスト』の原作となった本。著者のアレッサンドロ・バリッコはイタリアの超人気作家らしいです。もともとは小説ではなくて、一人芝居用の脚本として書かれた作品ということです。

映画はかなり原作に忠実につくられており、映画を見てからこの本を読むと、場面ごとに映像が浮かんでさくさく読めました。その分映画のあらすじのようにも思えて、ちょっと物足りない感じもしましたが、映画では深く理解できなかった主人公ノヴェチェント(イタリア語で900という意味。映画ではナインティーハンドレッド)の心理がよく理解できたところもあって、映画と原作がお互い補完しあういい関係になっているのではないでしょうか。非常に美しい物語ですので、映画を見ていない方にも是非読んでほしい作品です。