『リミッツ・オブ・コントロール』

2009年 アメリカ(115分)
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:イザック・ド・バンコレ、アレックス・デスカス、ジャン=フランソワ・ステヴナン


「自分こそ偉大だと思う男を墓場に送れ」という不可解な任務を与えられ、一人の男(イザック・ド・バンコレ)がスペインにやって来た。“孤独な男”なるコードネームを持つ彼は、任務遂行を目指してスペイン中を巡っていく。そんな“孤独な男”の前に、彼同様にコードネームを持つ名もなき仲間たちが現れ始めるが……。

ジム・ジャームッシュ監督、4年ぶりの新作。一応のストーリーらしきものに沿って映画は進行するものの、なぜそのような行動をとるのかという説明が全くないので全体像は最後まで見えないまま、そしてその割に細部がやたらとクリアで詳細に描写されている、という表現はいかにも夢っぽくて、「映画とは夢のようなもの」をいう作中のセリフをそのまま地でいったような作品です。ひとことで言うと、だれかの夢にそれなりの設定をつけ加えてスタイリッシュに映像化したような映画、でしょうか。

真正面から「この映画は面白いのか?」と問われたら、正直何と答えていいのかよくわからないのですが、ジャームッシュ監督のファンなら楽しめそうだけど、そうでなければ意味不明でがっかりするかも、というところ。個人的にはまず満足できる内容でした。