『エヴァンゲリオン新劇場版 序&破』

【序】
2007年 日本(98分)
監督:摩砂雪鶴巻和哉
 

世界を壊滅状態へと導いた「セカンド・インパクト」から15年後。14歳の碇シンジは、特務機関NERV(ネルフ)の最高司令官で父親でもある碇ゲンドウから、謎の巨大生物“使徒”と戦う人造人間エヴァンゲリオンパイロットに任命される。使徒との戦いが困難を極める中、地球存続のための任務を背負う彼らは、ある国家規模の作戦を実行に移すことになる。

【破】
2009年 日本(108分)
監督:摩砂雪鶴巻和哉


汎用ヒト型決戦兵器エヴァンゲリオンに乗ることで、自ら戦うことを選んだ碇シンジ。大きな運命を託された14歳の少年の物語は、ここから未知の領域へ突入する。また、綾波レイと人気を二分するヒロイン、アスカがエヴァンゲリオン2号機に乗って参戦。加えて魅惑の新ヒロインが登場する。そして、謎の生命体“ 使徒”とEVAシリーズの戦いは新エヴァンゲリオンの参加で、さらに激しくエスカレートしていく。

テレビシリーズを先日の再放送ではじめて見たにわかファンですが、この新劇場版はかなり健全な方向に物語を進めようとしている気がしました。テレビ版は大風呂敷を広げすぎて回収しきれなくなってしまったんでしょうけど、全編に漂う虚無感・絶望感と後半の異常なまでの鬱展開が他のアニメにはない魅力だったと思います。それに対する新劇場版は、ここまでを観た限りではアクションシーンを中心とした非常にレベルの高いエンターテイメント作品に仕上がっていると同時に、登場人物たちの心理描写もテレビ版とは比較にならないぐらいしっかりしたものになっており、紆余曲折はありつつもハッピーエンドに向かいそうな気配が作中からヒシヒシと感じられます。それがはたしてエヴァンゲリオンという作品の魅力を最大限に発揮させるものになりえるのか、個人的には若干の不安もあるのですが、いずれにせよまだストーリーは中盤、今後を楽しみに待ちたいと思います。