『兵隊やくざ』

1965年 日本(103分)
監督:増村保造
出演:勝新太郎田村高廣、滝瑛子、淡路恵子


昭和十八年、極寒の地ソ満国境に近い孫呉の丘に、関東軍四万の兵舎があった。そんなところに、浪曲師の門を追われ、やくざの用心棒をやっていた大宮貴三郎(勝新太郎)が他の新兵といっしょに入隊してきた。そして、この貴三郎の指導係を命じられたのが、名門生れのインテリで幹候試験をわざとすべった三年兵・有田(田村高廣)であった。

勝新太郎の魅力が爆発!という感じの映画。やくざもので喧嘩っぱやいんだけど曲がったことが嫌い、そして風貌にもなんとなく愛嬌があって女にもてる。そんな主人公はまさに勝新のはまり役。内容的には戦争映画というよりも、軍隊における上下関係の理不尽さと、そこにほうりこまれたやくざものの筋の通った活躍ぶりを中心に描いたもので、戦争批判を感じさせつつも陰惨になりすぎないところが秀逸だと思います。