『レッドクリフ Part2 -未来への最終決戦-』

2009年 中国(144分)
監督:ジョン・ウー
出演:トニー・レオン金城武チャン・フォンイーチャン・チェン


西暦208年、魏呉蜀が争う中国・三国時代孔明金城武)の奇策で曹操軍を撤退させた孫権劉備連合軍だったが、食料不足と疫病のために戦意も尽きようとしていた。そこに曹操軍の2000隻の戦艦と80万の兵士が逆襲。司令官の周瑜トニー・レオン)と孔明が作戦を仕掛けようとする中、周瑜の妻・小喬(リン・チーリン)がある行動に出る。

レッドクリフ」の完結編は、最近少しずつ増えてきた金曜日公開。さっそく公開初日のレイトショーで観てきました。

パート1は人物紹介を兼ねた長い予告編のようなもので、「赤壁の戦い」の前哨戦までが描かれており、このパート2はまさに本格的な戦いに突入するところからストーリーははじまります。ということで、開始早々からジョン・ウー監督らしい激しい戦闘シーンを期待していたのですが、今回も戦争前の駆け引きが続いて戦闘はなかなか始まらず、前作同様一つ一つのエピソードが微妙に冗長なこともあって、前半はなんとなくゆるい雰囲気でストーリーが進んでいきました。

そういえば、原作にはないオリジナルのサイドストーリーとして、男勝りの尚香と、曹操軍の兵士の淡い恋愛が描かれていましたが、これも間延びの原因の一つにもなっていたような気がしました。女性ファンへのサービスみたいなものかもしれませんが、このエピソードは必要なかったんじゃないでしょうか…。

ただ、さんざん待った甲斐あって、後半の戦闘シーンはさすがに素晴らしい迫力でした。かなり激しい戦闘にも関わらず、主人公達に敵の攻撃がほとんど当たらないのはお約束として、女性も含めた各キャラクターにきっちり見せ場があって、監督の美学が存分に発揮されていたと思います。

登場人物のキャラ設定などが実際の三国志とあまりに違うということを理由に、この映画を評価しない向きもあるようですが、あくまでもジョン・ウー監督が三国志の設定を借りてつくり上げた、新たな歴史エンターテイメント作品だと思って観れば充分満足できる内容です。基本的に前作とそれほど印象が変わらなかったので、パート1が面白かった方なら、今回のパート2も楽しめると思います。それにしても、このなんともパッとしないサブタイトルは誰がつけたんでしょうか…。