『ローリング・サンダー』

1977年 アメリカ(95分)
監督:ジョン・フリン
出演:ウィリアム・ディヴェイントミー・リー・ジョーンズ、ジェームズ・ベスト


8年の捕虜生活から開放され、故郷のテキサスに帰ってきた空軍将校。だが彼を待っていたのは形式だけの歓迎と、妻の不貞、そして送られた銀貨を狙うならず者の襲撃だった…。

金城一紀氏の小説『映画篇』に登場した映画を観てみるシリーズ第一弾。この映画を観るにあたって、ネットでいろいろ調べてみたところ「タランティーノ絶賛」の作品らしいですね。これだけでどんなジャンルの映画かはなんとなく想像できるのですが、実際観てみると日本の仁侠映画っぽい雰囲気がなかなかいい感じでした。

ベトナム戦争からの帰還兵が抱える癒しようのない心の傷を通奏低音にしながら、理不尽な暴力により妻子を奪われた男の復讐劇を描く作品で、静かに絶え続けた主人公の怒りが爆発する後半のバイオレンスシーンはなんともスカッとさせてくれる一方、その後の絶望感には心を打たれます。これは観て大正解でした。