『トゥルー・クライム』

1999年 アメリカ(127分)
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、イザイア・ワシントン、ジェームズ・ウッズ


北カリフォルニア・オークランド。地元の新聞記者エベレット(クリント・イーストウッド)は服役中の死刑囚に死刑執行前の最後のインタビュー取材を行うことになる。自分の“カン”を何よりも信じるエベレットは彼が無実であることを確信、ひとり事件の洗い直しを始めるが、死刑執行まで残された時間は既に12時間を切っていた……。

いくらなんでもたった半日で死刑を覆すのは無茶だとか、死刑囚が無実であると確信する根拠が乏しすぎるとか、いろいろとツッコミどころが満載で荒唐無稽な映画であるのは間違いありません。イーストウッドも、容姿は完全にお爺ちゃんなのにモテモテで絶倫だし。ただ、エンターテイメントとしての骨格はしっかりしているし、本筋以外の部分で登場人物たちの細かいエピソードがきっちり描き込まれており、全体としては水準以上の作品に仕上がっていると感じました。

近年の硫黄島2部作や「チェンジリング」と比較すると、重厚さやリアリティという点でやや物足りない部分もありますが、まずは観て損のない映画だと思います。