『イグジステンズ』

1999年 イギリス/カナダ
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ジェニファー・ジェイソン・リージュード・ロウイアン・ホルム


脊髄に開けたバイオ・ポートから生体コンピュータであるゲームポッドを接続するというバーチャル・ゲームが楽しまれている未来。天才ゲームデザイナーのアレグラ(ジェニファー・ジェイソン・リー)が新作ゲーム《イグジステンズ》を発表する記者会見で発砲事件が発生してしまい、アレグラは警備員テッド(ジュード・ロウ)に守られて脱出する。会社ぐるみの陰謀に気づいたアレグラは、真相を探る鍵が《イグジステンズ》の中にあると知り、テッドと共にバーチャル世界に入って行く…。

クローネンバーグ監督の作品だけあって、最先端のバーチャルリアリティを扱っているはずなのに、なぜかやっぱりグチャグチャドロドロ。生き物のようなゲームポッドのデザインとか、両生類の骨を組み立ててつくる銃とか、スタイリッシュとは正反対の気色悪さがいちいち魅力的です。
現実と非現実との境目があいまいになるというストーリーは、今となってはありがちな感じですが、個人的にはこの手の設定が大好きなので問題なし。最近では「ヒストリー・オブ・バイオレンス」とか「イースタン・プロミス」のような作品にシフトしているクローネンバーグ監督ですが、たまにはこの映画や「ビデオドローム」みたいなのもお願いしたいですね。