『ナイト・ウォッチ』

2004年 ロシア(115分)
監督:ティムール・ベクマンベトフ
出演:コンスタンチン・ハベンスキー、ウラジミール・メニショフ、マリア・ポロシナ


1992年、モスクワ。妻(マリア・ミロノーワ)に逃げられたアントン(コンスタンチン・ハベンスキー)は呪術使いの元へ行き、そこで彼は自分が特殊能力を持つ“異種”だと知る。光の戦士である“ナイト・ウォッチ”か、闇の戦士の“デイ・ウォッチ”かの選択を迫られる。12年後、彼は光の側で活動しており、ある事件に関わる。

現在公開中の『ウォンテッド』でハリウッドデビューをはたした、ティムール・ベクマンベトフ監督の2004年の作品。ロシアでは興行収入の記録を塗り替えるほどの大ヒットになったそうです。
中世から連綿と続いてきた光と闇の戦い、というストーリーはありがちなものの、序盤はあまりなじみのないロシアの俳優が新鮮だったのと、映像の雰囲気もなかなか良かったのとで、これは期待できそうかなと思って観ていました。しかし本格的にストーリーが展開され始めると、画面の上で何が起こっているのかはわかっても、それがストーリーの中でどんな意味を持つのかよくわからない場面が多くて、ちょっと置いていかれているような感じ。
映像は独特なセンスをもっていて、さすがと思わせる部分も多かったですが、いかに派手な映像を駆使した戦闘シーンが優れていても、その戦いの意味が不明で、映像に集中できないのは致命的。ハリウッド流の作法を身につければ、今後に期待できる監督であることは間違いないんでしょうけど、この作品については少し残念な内容だったように思います。