『処刑男爵』

1972年 イタリア(98分)
監督:マリオ・バーバ
出演:ジョセフ・コットン、エルケ・ソマー、マッシモ・ジロッティ


アメリカ人大学生ピーター(アントニオ・カンタフォラ)は休暇を利用して、先祖にまつわる伝説の真偽を調べる為にオーストリアを訪れる。ウィーンに着くと早速ピーターは、叔父にして地元大学の教授カール(マッシモ・ジロッティ)に、最も悪名高い先祖オットー・ヴォン・ケイスト男爵の話題を持ち出すのだった。その熱意に動かされたカールは、ピーターに地元の女子大生エヴァ(エルケ・ソマー)を紹介する…。

非道の限りを尽くし、処刑男爵と呼ばれ地元の人々に恐れられた人物を祖先に持つ主人公。魔女により封印されたと言い伝えられる処刑男爵の呪いを解く呪文を手に入れた彼は、好奇心にかられて封印を解いてしまう…。と、いきなりなんでやねん、とつっ込みたくなるような展開。その後も展開は唐突だし、処刑男爵がどういう理屈で人を殺しているのかわからないし、ストーリー的にはなんだかなあといったところ。
ただ、舞台となっている城の雰囲気がとにかく素晴らしく、地下の拷問部屋や城の飾りにされている串刺しの死体など、残酷なシーンにも美しさを感じてしまうほど。物語を楽しむというよりは、ちょっと古いホラー映画の映像美とか独特の雰囲気を味わうのが吉。