EURO2008 ドイツ VS スペイン
【ドイツ】
GK レーマン
DF フリードリッヒ、メッツェルダー、メルテザッカー、ラーム(→46′ヤンゼン)
MF ヒッツルスペルガー(→58′クラニー)、フリングス、バラック、シュバインシュタイガー
FW ポドルスキ、クローゼ(→79′M・ゴメス)
【スペイン】
GK カシージャス
DF セルヒオ・ラモス、マルチェナ、プジョル、カプデビラ
MF セナ、イニエスタ、セスク(→63′シャビ・アロンソ)、
シャビ、シルバ(→66′カソルラ)
FW フェルナンド・トーレス(→78′グイサ)
(得点 フェルナンド・トーレス 33′)
EURO2008もいよいよ決勝戦。スペインはビジャが怪我のため、代わってセスクが先発。ドイツはバラックが負傷という報道もありましたが、こちらは先発メンバーに名を連ねてきました。
立ち上がりからしばらくはドイツのペース。3分にはS・ラモスの横パスがクローゼにさらわれてピンチを招くなど、スペインにやや硬さが見られます。その後もしばらくはドイツがボールを支配しましたが、14分スペインは、シャビから左のイニエスタへのスルーパスが通り、これをシュートまで持ち込む最初のチャンスを迎えます。これで勢いづいたスペインは、得意のパス回しから積極的に攻撃を仕掛け、22分右サイドボールを受けたセスクからS・ラモスへ、S・ラモスがクロスを上げF・トーレスのヘディングシュートがポストにはじかれるというビッグチャンスを作ります。ドイツも直後のCKから、バラックがこぼれ球をボレーシュートする惜しい場面がありましたが、ここはS・ラモスが体でブロックします。
試合が動いたのは前半33分、シャビからのスルーパスに反応したF・トーレスが抜け出そうとするところ、いったんはDFラームが前に出たように見えましたが、回り込んだトーレスが足を伸ばし放ったシュートは、飛び出してきたレーマンを越え見事にゴールへ。F・トーレスが素晴らしいスピードを見せ、スペインが先制します。前半のその後はスペイン優勢で進み、1点差のまま後半へ。
後半開始からドイツはラームに代えてヤンゼンを入れてきますが、サイドからの効果的な攻撃はなかなか見られず、相変わらずスペインのペースが続きます。12分ドイツがヒッツルスベルガーを下げクラニーを投入し、2トップの形にすると、これが功を奏しドイツが何度かチャンスを迎えます。これに対しスペインはセスクに代え、シャビ・アロンソを入れ、中盤をやや守備的な形に変えてきます。これによって再びペースをつかんだスペイン、22分にはFKからS・ラモスのヘディングシュート、直後にはショートコーナーからイニエスタのシュート、35分には右サイドのカソルラからグイサへクロス、これをグイサが走りこんできたセナに落とすもわずかに合わず、とスペインが何度も決定機を迎えます。
追加点を奪えないスペインにやや嫌なムードも感じましたが、結局最後までドイツに決定的な場面はなく、そのまま1-0で試合終了。スペインが44年ぶり2度目の優勝を果たしました。この試合に関していえばスコアは1-0でしたが、選手交代による采配の妙も含め、内容的にはスペインの完勝だったと思います。
こういう大会では、良いサッカー・面白いサッカーをしたチームではなく、守備の堅い試合巧者が頂点に立つことも多いですが、今大会のスペインは面白い試合で観客を魅了し、なおかつ勝ち続けるという離れ業を見せてくれました。次はW杯でも同じようなサッカーを見せてほしいですね。