EURO2008 スペイン VS イタリア

【スペイン】
 GK カシージャス
 DF セルヒオ・ラモスマルチェナプジョルカプデビラ
 MF イニエスタ(→59′カソルラ)、セナ、シャビ(→60′セスク)、シルバ
 FW ビジャ、フェルナンド・トーレス(→85′グイサ)


【イタリア】
 GK ブッフォン
 DF ザンブロッタパヌッチキエッリーニグロッソ
 MF アクイラーニ(→108′デル・ピエロ)、デ・ロッシアンブロジーニ、ペロッタ(→58′カモラネージ
 FW トニ、カッサーノ(→74′ディ・ナターレ


PK戦
 スペイン 4−2 イタリア

グループリーグを3連勝で突破してきたスペインと、オランダに完敗しながらも、死のグループといわれたグループCをなんとか2位で通過してきたイタリア。イタリアは累積警告でピルロガットゥーゾが出場停止ということもあり、スペインが有利なように思われるものの、大会のこれまでの流れと、イタリアの試合巧者ぶりを考えると、どちらが勝つとも想像しにくい試合前の状況でした。

攻撃の要ピルロを欠くイタリアは、前半からかなり守備的な戦い方を選択してきました。トニもセンターサークル付近まで下がり、スペインにスペースを与えない、いかにもイタリアらしい「点を取られなければ負けることはない」といった感じの試合運び。スペインはボールを保持するものの、イタリアの堅い守備にはばまれ、また、スペインとしてもイタリアのカウンターを警戒したのか、両サイドバックがそれほど上がらない慎重な戦いぶりだったこともあって、決定的といえる場面はほとんどないまま前半終了。

後半に入ってもそれほど流れは変わりませんでしたが、イタリアがペロッタに替えてカモラネージを、直後にスペインがカソルラとセスクを同時に投入すると、試合がやや活性化します。16分ゴール前のこぼれ球からカモラネージが放った決定的なシュートは、カシージャスが左足でスーパーセーブ。スペインもビジャのFKやセナのミドルシュートなどがあったもののブッフォンの壁は破れず、結局後半も両者得点なく延長戦に突入します。

延長戦に入って、スペインはビジャのクロス→グイサが頭で折り返し→セスクがシュート→こぼれ球をシルバがシュートという流れがありましたが、最後のシュートはわずかにそれてゴールならず。これに対してイタリアは、ディナターレが鋭いシュートをはなつものの、カシージャスが好セーブ、さらにCKをトニが頭でそらした場面もわずかにゴールの上。試合はこのまま0−0で終わり、今大会初のPK戦に突入。

PK戦。イタリアは2人目のデ・ロッシと4人目のディ・ナターレがはずしてしまい、スペインは4人目のグイサがはずしたものの残りの4人がきっちり決めて、4−2でスペインが勝利。EUROでは1984年以来の準決勝進出を決めました。


イタリアは主力2人を欠く中、堅い守りから一瞬の隙を狙う得意のサッカーで、うまくスペインを封じ込めることに成功し、ほぼプランどおりの戦い方だったのではないかと思います。トニの不調などもあって、得点を奪えなかったことだけが誤算でしたが、守りを固めたイタリアから得点を奪うことの難しさを改めて感じさせてくれました。
スペインはイタリアの術中にはまってしまったものの、なんとか勝ちあがり。準決勝では、グループリーグ初戦で4−1と快勝しているロシアとの再戦。前の試合のようにはいかないと思いますが、この試合では見られなかった爆発的な攻撃力を見せてほしいですね。