『プラネット・テラー』

2007年 アメリカ (105分)
監督:ロバート・ロドリゲス
出演:ローズ・マッゴーワン、フレディ・ロドリゲス、ブルース・ウィリスマーリー・シェルトン


テキサスの田舎町のある夜、J.T.(ジェフ・フェイヒー)のバーベキュー・レストランにやって来たゴーゴーダンサーのチェリー・ダーリン(ローズ・マッゴーワン)は、元恋人の解体屋レイ(フレディ・ロドリゲス)と再会した。その頃、軍の部隊長マルドゥーン(ブルース・ウィリス)と生物化学の科学者アビー(ナヴィーン・アンドリュース)の取り引き中に、生物兵器DC2(コードネーム「プロジェクト・テラー」)のガスが噴き出してしまう。町中にDC2が拡がり、感染者がゾンビと化して人々を襲い始める…。

アメリカではクエンティン・タランティーノ監督の『デス・プルーフ』とあわせて、2本立てで『グラインドハウス』として公開された作品。「グラインドハウス」とは、1970〜80年代頃にアメリカではやった、チープなB級映画を2本立て、3本立てで上映する劇場のことだそうで、これを愛するタランティーノ、ロドリゲスの両監督が、現代にグラインドハウスを甦らせるというコンセプトで製作したのが、今回の作品です。

冒頭にロドリゲス監督自身が作成した、架空の映画『マチェーテ』(マチェーテ役はダニー・トレホ!)の予告編が挿入されていたり、わざとフィルムにキズをつけてそれっぽい映像にしてみたりと、とにかく雰囲気作りに気を使っているところにも好感。あげくの果てには「MISSING REEL(1巻紛失)」と表示されて場面が飛んでしまうとか、やりたい放題楽しんでつくられた映画という感じです。


そういう映画なので、細かいストーリーについてどうこう言うのは野暮というもの。ゾンビに食いちぎられた片足に、マシンガンを突き刺して乱射するヒロインや、麻酔薬入りの注射器を投げて戦う美人看護婦など、監督の妄想をそのまま映像化ような荒唐無稽なキャラクターたちの活躍を、四の五の言わず楽しむ作品でしょう。ヒロイン役のローズ・マッゴーワンと、看護婦役のマーリー・シェルトンは、どちらも美人ではあるのですが、なんとなくB級の匂いのする女優さんで、この映画の雰囲気にはピッタリでした。

ブルース・ウィリスがチョイ役で登場。タランティーノ監督やロドリゲス監督の作品でよく見かけるような気がしますが、こういうの好きなんでしょうねえ。それからタランティーノもこの映画に出演していて、かなりえらいことになってます。こちらも本人ノリノリで演じてそうで、「もっとぐちゃぐちゃにしてくれ」とか言ってるのを想像すると笑えます。

B級映画好きなら絶対おすすめの作品。逆にそういのうが苦手な方は、見ても何一つ得ることのない映画だと思います。