『ガチ☆ボーイ』

学園祭で見た学生プロレスが忘れられずに、プロレス研究会に入った五十嵐。試合の段取りが覚られなかったため、ガチンコでやった試合が観客に受けて人気者になるが、彼には大きな秘密があった…。


(以下ネタばれあり)


映画の中ほどで明らかにされますが、主人公の五十嵐は数ヶ月前の事故で脳に障害を負ったため、新しいことが覚えられず、寝て目覚めると前の日のことはすべて忘れてしまいます。どこかでみたことがあるあざとい設定ではあるのですが、毎日繰り返される絶望にも関わらず明るさを忘れない主人公五十嵐役の佐藤隆太は素晴らしい演技を見せてくれていますし、脇を固める面々も個性的でキャラが立っています。マネージャー役のサエコのあまりうまいとはいえないけれど、一生懸命な感じが伝わってくる演技なんかも映画の雰囲気にぴったりあっているんじゃないでしょうか。


ストーリーもベタベタながら、ツボを押えた演出で後半は涙腺決壊間違いなしです。個人的には、主人公がマネージャーと二人きりになる帰りのバスでの(実は4回目の)告白シーンあたりから号泣モードに突入しました。クライマックスのガチンコ勝負も、あまりにベタな展開ですが感動せずにはいられません。「笑いあり涙ありの青春スポ根映画」の大傑作!是非多くの人に見てもらいたいです。


最後に一つだけちょっと残念だったのがエンディングテーマ。チャットモンチーの曲も悪くはないのですが、映画の雰囲気とちょっとあってなかったような…。挿入曲として使われていたウルフルズの「暴れだす」がすごく良かったので、エンディングでも使ってほしかったです。ラストシーンの後にこの曲が流れてきたら、感動がさらに増したと思うのですが。