ヘレン・マクロイ『幽霊の2/3』

出版社社長の邸宅で開かれたパーティーで、人気作家エイモス・コットルが、余興のゲーム“幽霊の2/3”の最中に毒物を飲んで絶命してしまう。招待客の一人、精神科医のベイジル・ウィリング博士が、関係者から事情を聞いてまわると、次々に意外な事実が明らかになる。作家を取りまく錯綜した人間関係にひそむ謎と、毒殺事件の真相は?

長らく絶版状態が続いていた幻の傑作とのことで読んでみました。さすがに今読むとそこまで衝撃的でもないのですが、いたるところに張り巡らされた伏線がラストできっちり回収される本格ミステリの佳作といったところでしょうか。解説にもあるように、読み終えてから振り返るとタイトルが非常に秀逸ですね。