『愛おしき隣人』

2007年 スウェーデン(94分)
監督:ロイ・アンダーソン
出演:ジェシカ・ルンドベリ、エリック・ベックマン、エリザベート・ヘランダー


とある街にたたずむ、とあるバー。そんなどこにでもありそうな店のカウンターに、ロックギタリストのミッケ(エリック・ベックマン)にかなわぬ恋をする少女アンナ(ジェシカ・ルンドベリ)、人生のむなしさを嘆く女性ミア(エリザベート・ヘランダー)、軍楽隊のチューバ吹き(ビョルン・イングランド)らが集まってくる。

ストーリーの本筋は特になく、何組かの人々の思い通りにならない日常生活を、断片的に脈絡なく積み重ねることによって全体が構成されています。冒頭の時点では、途中からそれぞれの登場人物が絡み合ったりしていくのかなと思いながら観ていましたが、結局最後まで断片を積み重ねるだけで物語は終了。

登場人物がかなり多く、最後まで判別できていないキャラクターもいるような気がしないでもないですが、そのあたりがきっちりわかったところで、いったい何の話だったのかは理解できないでしょうね。ブルース・リーじゃないですが、「考えるな、感じろ」という類の映画だと思います。

登場人物たちがめいめい集まるバーのマスターが、一日の最後にいうセリフ「ラストオーダー、また明日がある」が素晴らしくかっこいいです。きっと、この映画のいいたいことは最終的にはこれに尽きるんじゃないでしょうか。